タイ人は想像すらしなかったろう。
遥か4000キロ離れた日本で、自分たちの日常食がおにぎりという料理になっていようとは。
あらゆる意味で、おにぎりは寛容である。
具には、和洋中問わずに、なんでも抱きこむし、ご飯だって、炒飯、ピラフ、オムライスとなんでもおにぎりにしちゃう。
しかしここにきてガパオである。
食べると、遠くにガパオがいる。
ホーリーバジルの香りも、ナンプラーの味も、顕微鏡で探さねばならぬほど些細であるが、ガパオですと断言されれば、そうなのかと思う。
一口でタイに飛ぶというより、錦糸町のタイ料理屋を外から覗きましたという感じである。
色々マーケティングしたのだろうが、これを手にするのは、好奇心旺盛な人か、タイ料理好きだと思うので、もっと振り切った方が良かったねと、いいたい。
ちなみに僕は、これをラウンジで見かけて食べたのだが、他は誰も食べていなかった.