〜愛すべき変態再び〜
トマトが旨味を膨らましながら、発酵した酸味をはつらつと放つ。
木姜子油が華やかな香りを漂わせ、塩酸菜だろうか? 別の酸味をにじませる。
そんな中でナマズが、ぬるんと口に滑り込み、品のある甘さを広げていく。
本日の魚料理は、「苖族酸湯魚〜貴州苖族の発酵トマト鍋」だった。
トマトを塩水と米のとぎ汁、少量の唐辛子で発酵させたものをベースにした「苖族酸湯魚〜貴州苖族の発酵トマトのナマズ鍋」である。
飲むほどに食べるほどに、あっちへ連れて行かれるたくましさがあって、ただのトマト鍋がばかばかしくなる魔力がある。
トマト味の向こうに広がるのが畑だけではないのだ。
山があり川があり森がある。そして妖艶がある。
もうこれだけでもリコピン、カプサイシン、魚のコラーゲン、酵素、アリシンと薬効あらたか。
今回はこの後に「猛毒豆腐」とご飯だからやらなかったが、次回は、リゾット風に炊き込んで、石焼きビビンバップ風にオコゲも作り、そこに上から刻んだミントと香菜どっさり入れたい。
藤沢「茶馬燕」の全料理は