金沢「小松」

〜切るという仕事〜 第二弾 「小松」 アオリイカ

食べ歩き ,

〜切るという仕事〜 第二弾
2皿目のお造りが、アオリイカだった。
目の前でイカに細かく包丁目を入れられている。
イカは、横に入る繊維を断ち切るように包丁目を入れると、うま味をたくさん感じやすくなる。
同時に食感は、イカ特有のシコッとした歯ごたえは無くなり、ねっとりとした食感となる。
だが食べてみるとどうだろう。
甘みは十二分に感じるのに、シコっとした食感も残されているではないか。
ただ繊維を断ち切ったのではない。
表面は繊維に対して斜めに包丁目を入れ、裏面は繊維に対して平行に入れ、食感が立つように切り分けたのである。
こうして痛快な食感と甘みを両立させた包丁仕事は、酒を一層うまくさせるのだった。