〜アンコウの刺身〜

食べ歩き ,

〜アンコウの刺身〜

溌剌とした勢いが、舌を流れた。
アンコウの刺身を食べた。肝の刺身も食べた。
船上で神経〆されたという14キロのアンコウは、‘’溌剌‘’という、この魚に似つかわしくない言葉をイメージさせる。
その水気は、みずみずしく舌に広がり、ほのかに甘い。
肝は、ああ肝の刺身は、僕らの知っているあん肝ではない。
蒸したあん肝のいやらしさが微塵もなく、澄んだ命の味がする。
清らかさの中から微かに肝の色気がにじみ出る。
そして圧巻が炙りだった。
グリッと凛々しい肉に歯が入ると、ゆるゆる甘みが流れ出る。
勝田
割烹花みやこにて。