「てのしま」

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「てのしま」は、「菊乃井」出身であり、香川県手島出身の林亮平氏が3/20に開いた、瀬戸内海の食材を中心とした日本料理店。

割烹未満居酒屋以上と言った雰囲気で、気軽に料理を楽しむことができる。
 コースは1万円のみで、21時以降はアラカルトも注文できる。六月のある日のコースはイカの通り。
 突き出しは、「とうもろこし冷やし茶碗蒸し」十二分にトウモロコシの甘みが出た冷やし茶碗蒸しの上に、よもぎの餡がかけられる。甘さとバランスをたった苦みのセンスが素晴らしい。
「稚鮎のコンフィ 胡瓜蓼おろし」。塩焼きではなく、コンフィによってすべての良さが引き出された鮎。キュウリの爽やかな青々しさを加えた蓼酢とのピュレも、食事のスタートの気持ちを高めてくれる。レモン木の芽添え。
「煮物椀 甘鯛 翡翠茄子」
「お造り」は、金目鯛、石鯛、スズキの盛り合わせ。いずれも香り高く質が高い。金目鯛は脂がだらしなくなく、スズキは、ほんのりいかった食感がいい。
「鱧 温南蛮」鱧のフリットに赤タマネギの酢漬けを汁ごとかけ、松の実をそえる。
揚げられた鱧の甘みにタマネギの甘みと酸味のコクが加わり、酒を呼ぶ逸品。
「はなが牛醤油ステーキ 和ハーブバター」はなが牛は愛媛県西伊予で育てられる交雑牛。健康な証だろう、味が濃い。そしてステーキ定番の、レモン汁とパセリを混ぜ込んだメ-トルバターならぬ和ハーブを練りこんだバターが、心憎い。
「てのしま寿司」。おいなりさんと鯖寿司。どちらも端正な作りで美味しい、
「いりこだしにゅうめん」。四国のそうめんだという。しなやかな中に小麦の香りあり。デザートは「くずきり」。
 ドリンクペアリングは6千円。日本酒が通好みから一般的な人気のあるものまで品揃えが見事。ワインの揃えもいい。