六本木「KOBAYASHI」

「小林さんの名品」5 「茄子の唐揚げ山椒唐辛子風味」

食べ歩き ,

「小林さんの名品」4
「茄子の唐揚げ山椒唐辛子風味」
唐辛子の山の中に隠された茄子を取り出し、口に運ぶ。
「カリッ。ガリッ」
茄子の衣には、その二つの食感があって、歯を喜ばせる。
中からにゅるっと果肉が飛び出て、舌に乗る。
甘い。優しく甘い。
表面の凛々しい食感との対比で、一層茄子のしなやかな持ち味が生きてくる。
茄子には一切味がついていないが、表面の衣は唐辛子や山椒など様々な香りをまとっているからこそ、茄子が愛おしくなるのだな。
茄子は守られている。
衣と香りに守られて、自分の純粋を高めている。
そう思った。
だからこの料理が出ると、皆競い合って、茄子の取り合いになる。
最後の一個を取った後も、まだないかと、唐辛子の中をまさぐってしまうのであった。
この茄子は、長茄子を使うという。
種が発達していないので,全部が果肉だからである。
皮を剥いて,同寸、同形の兎耳という形に切りそろえる。
強力粉をまぶし、コンスターチ9.強力粉1水を加え、リボン状固さになったら油に投入する。
しかしこれが難しい。
まず、均一の薄さに衣がかかってないといけない。
次に白絞油を180度にして揚げていくが、揚げ玉出さないように、かつ指先から垂れた衣で、ナスに角ができないようにして揚げていく。
コツは手のひらのたなごころにのせて、静かに落としていくのだという。
一方で、山椒,鷹の爪、長ネギ微塵,赤生唐辛子輪切り、香菜みじん切りを用意しておく。ばくちーみじん
油をよくきる。
山椒と唐辛子を鍋で空炒りし、唐辛子の香りがしてきたら茄子入れて山椒塩で味付けし、ネギと香菜を散らして完成である。
痛快な食感の衣、そして様々な刺激的な香りが交差し、その中で水分が出て味が凝縮した主役の茄子が輝く、名品である。
六本木「KOBAYASHI」にて