久々にミシュランの見識を感じた。
金沢の三つ星「小松」である。
派手な料理はない。
斬新に見える料理もない。
しかしそれぞれに、小松さんしかできない、仕事が光っている。
長らく日本料理を食べこんだ人であるなら、必ず深々とした感動を得られる料理である。
どの皿も、さりげなさの中に凄みの刃がキラリと隠されていて、こちらの心をえぐってくる。
微塵の妥協もなき、完成度で貫かれ、日本料理の美しき哲学を継承している。
なにしろこれらの料理を、たった一人で作られているのだから驚く。
「小松」9/9
小松
★先付 いちじくゴマだれ。
ゴマの香り高きこと
★椀物
ヒラメの葛うち椀。
フタを開けるとヒラメが微かに香った。飲めば昆布が漂い、次第に一体化していく時間に酔う。日本海の楚々とした味。鰹を感じさせない昆布の太さ。
★向付
あらの昆布締め 余韻。後味 素晴らしい
あらの造り FBを参照してください。
アオリイカ胡麻。 包丁目を感じさせない。裏と表で違う。
FBを参照してください。
しまえび 筋肉が生きている
★おしのぎ
鮑と銀杏の飯蒸し。
★酒肴
あん肝 蟹
★焼物
のどぐろ焼き 柴漬け。のどぐろの強い脂に柴漬けの酸味を合わせる発想がすばらしい
★焚物
ひろうす、松茸 銀アン バランス見事 FBを参照してください。
★すっぽん雑炊
きれいな味、むしろたまごがたっている
★初もの栗きんとん。
青い味。初物らしい爽やかな香りがする。