「一幸」9/12

食べ歩き ,

「一幸」9/12
「一幸」の寿司は、変化のある寿司である。
赤酢の寿司のように、最初から攻めて、味が開かない。
酢飯は控えめであり、魚を盛り立てながらの調和がある。
しかも魚ないよって同じ酢飯なのに感じ方が違って来る。例えば脂の多いきんきやさわらのどぐろなどでは酸が立つ。
それも、食べていくうちに次第に変化していく。
まるで酢飯が生きていて、魚のことを理解し、その特性をを生かすようにするかのように。
それは工藤さんが、徹底的に魚を研究し、酢飯のあり方を求めた結実だろう。
いやまだ完成ではないのかもしれない。
なぜなら工藤さんは、決して現状に満足しない。
明日を、さらなる上を、未来を目指して、もっとおいしくできるはずだと、常に頂上を目指している人だからである。
そう、ここには江戸前寿司の未来が横たわっている。
★鯛   身のだれかたが違う。
締めたのは、昨日6時という鯛の左身と右身の食べ比べ。どちらも品の良い甘みがあるが、身質の食感が違う。水温高い今の時期は、活腐りといって、そういう現象が起きるという。
★鮑
鍋で水と陶器で4時間炊いていき、また戻す、一幸のスペシャリテ。
うまみが湧き出て続く。柱はやや旨味が少ないが、それでも圧倒的な旨味を宿す。
旨味の余韻を酒で消したくない。
生簀に入っていると味が抜けるので、採ってどれくらいで料理するかが勝負だという。
アワビは、たくさん食べると楕円ではなく、丸くなる。今は滅多にいないが、理想はソフトボール状だという
★キンキのしゃぶしゃぶ
むちむち。身は淡白。深海魚系なので皮に旨みあり、1秒後に旨味がいやらしく舌にくる。後からむんっとたぶらかす。
★積丹の海を食べる‼️
水貝という料理の新構築。
毎日ペーパーを変えて一か月寝かせた紫雲丹、もずく アワビ アワビの煮汁、明日で終わりというじゅんさい
口の中で海が泡となって膨らむ。
水貝とは、もともと江戸時代に、そのものの名前を言い換えるのが流行った。醤油が紫のように。
ウニの中で寝かせても味があるのは、積丹だけ。おそらく赤藻草を食べている。
★いわの の赤雲丹。のののは最上級品
一かたまり800円 おそらく一皿4000円?
ウニを食べて微かに舌の奥に感じることがある、えぐみが一切ない。なんとエレガントなのだろう
甘みがくどくなくて余韻に、ただただ甘美。
舌全体がウニの官能に包まれる。
純潔。
皿や箱の上では溶けないが、舌の上だけで溶ける。
握り
★カスゴ 官能 淫靡 妖艶 魚と酢飯、まるで一つの生物のように、どちらかが出る事なく溶けていく。
★新イカ いたいけながら主張するほのかな甘み
★さわら
難しくて毒毒の臭みがあるので皮はかならず焼く
中々身がグレーになってピンクにならないが、これはピンク。
皮下のじれったいような、あだなうまみ
噛めば噛むほどに味が伸びていく
3番バッターには、「おいしい」ではなく、「うまい」と思うインパクト系
を持ってくる。きんきとかイワシとか。
★戸井の延縄
延縄なので少し苦しんで脂回っている。赤身なのに脂回っているがきれい。なめらか。
★大トロ
スジのうまみ。脂の香りもあるが、コラーゲンの旨味も感じる・
噛んでいくと酢飯と煮詰めの味に脂が溶けていく様が美しい。
★ウニ 濱中の馬糞
最初の旨味インパクトはあるが、余韻が短い。
溶けているのは、昆布を食べているから。
海苔の香り 酢飯の香りがカバーする。
赤雲丹は昆布を食べていないから固まっている
★ノドグロ
噛むほどに酢飯の酸味が太く感じていく。変化していく握りの妙。
★淡路島岩屋 鬼アジ 根つき
素晴らしい。脂の上品さ。
香りに気品あり
★トロ松  FB参照
上富良野松茸 傘が開いているの方が香りが強い。
余韻が長い
エロい
トロは脇役。
松茸の一番おいしのは細ければ細かいほどおいしい。
根元から傘に向かって食べる。
★コハダ
柔らかめでジューシーだが、酢のきわめもある。
★穴子
脂がある穴子は多いが、グッと喉に迫りくる 生命力のある味を持っている穴子は少ない。
30メートルくらいのところにいるが150メートルのとこにいる穴子。
食べてぐんぐんと盛り上がっていく旨味
本当にうまい穴子はナッツの香りがする。
★玉子