〜鰻意趣返し〜

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〜鰻意趣返し〜
先日のツライうなぎを食べて以来、なんとかまともなうなぎを食べてリセットしたかった。
そこで「ひょうたん」である。
東京では珍しく、地焼きのうなぎを出す。
昼限定の2500円のうな重を頼み、上新香とビール小瓶を頼み、焼けるまでを待つ。
きゅうりも大根もぬか床の香りがいい。
登場したランチうな重は、鰻が小さい。
だが関東風に蒸した鰻のとろける柔らかさとは違う、柔らかさがある。
爆ぜるような肉の食感があって、その雄壮さがご飯を誘う。
こいつは、写真のようにごはんと抱き合わせて食べるより、うなぎを単独でかじり、その勢いでご飯をかきこむのが正しい。
そして山椒は、うなぎではなく、ご飯にかける。
大方食べ終えたら、マナー違反は承知で下品だが、残ったご飯を吸い物に少し入れ、鰻もちぎって入れる。
ザブザブザブッ。
ウナ茶にして、かき込めば、鰻の脂がつゆに溶け出して渾然となり、笑い出したくなるうま味が膨らんで、一気呵成に食べ終える。
一つ上の3500円や4500円にしてもいいが、おしんこの前菜とビールを楽しみ、うな重をシンプルに楽しみ、ウナ茶で締める。
これもまたやめられませんって。
米一粒残らぬ、それこそ重箱の隅をつついた、空の朱塗り重箱を眺める充実感ここにきわまり。
ああようやく、あの恨みを返せた。