うま味が増していくヒレ酒

食べ歩き ,

博多「畑瀬」のヒレ酒は、飲む度に、なぜかうま味が増していく。
酒と溶けた、丸く、品のあるうま味がぐんぐん膨らんで、滋味が濃くなっていくのである。
こいつと、ふぐ刺しや唐揚げと食べたら、もうたまらんばい。
うま味とうま味が手を繋ぎ高みに登って、もうやめてといいたくなるのだね。
聞けば、同じヒレでも白いフグの腹ビレしか使わないという。
さらには、ただ室内で干しただけでは、臭みが取れない。
一年置いて、夏に天日干ししてこそ、臭みが消え、クリアーなうま味がでるという。
なるほど、今まで飲んできた一部のひれ酒に合点がいかなかったのは、その理由だったのね。
僕は嬉しくなって、もう、三杯も飲んでしまいました。

2016