某サービスエリアで、「もつ煮定食」1200円をいただいた。
正式名称は、「プリプリもつ煮定食」である。
だが私の記憶では,モツがプリプリだったことは,一度もない。
クニュクニュかクニャリしか出会ったことがないから、おそらく特殊なモツなのだろう。
茶色の汁の中には、豚のシロと蒟蒻、ネギが入っていた。
シロを食べる。汁を飲む。
プリプリの食感を、期待していたわけではない。
だがモツは、プリプリもクニュクニュもなく、脂も食感もどこかに置き忘れてきたようで、完全に脱力されていた。
おそらくモツとなってから、冷凍もされ、時間もかなり過ぎたのだろう。
くつろいだモツというより、力つきた感じである。
それでいながら噛みきれないという、物理の法則に逆らっている。
食べる人の健康を配慮してか、脂もない。
それゆえに汁も、あっさりである。
だからと上品ではない。
妙なうまみが奥底に潜んでいて、舌を痺れさせる。
コクはないのにうまみが強いという、汁の味わいでも矛盾が生じていた。
モツ煮界のアンチノミーである。
作った方はきっと、白か黒かの答えを出すことを避けたのだろう。
あるいは、解のない問いについて深く考え続けているのかもしれない。
問題は、モツの食べ応えがなく、汁の手応えも弱いため、ご飯が一向に進まないことである。
だが賢明な私は、事態をあえて予測して
た。
汁には七味だけでなく、ラーメンコーナーから奪取した豆板醤も入れ、さらには納豆を追加注文したので、ことなきを得たのである



