なぜ彼が料理を作ると、エッチになるのだろう。
どんな料理も色っぽく、優美になっていくのだろう。
彼の作る料理がフランス料理だからだよ。
フランス料理の宿命さ。
そう思っていた。
だが違った。
レバニラでも、ハンバーガーでも、ラグーソースのパスタでも、いやらしくなるのであった。
彼とは「ラフィナージュ」の高良シェフである。
もやしの上にソテーしたレバーを乗せ、ニラを乗せる。
味付けは甘辛い、レバニラのそれである。
だが食べると、レバーの甘みが舌にしなだれて、どうにも艶っぽい。
普通のレバニラなら即ご飯! というところだが、これは赤ワインが恋しくなった。
ハンバーガーも違う。
レタス、パテ、トマト、玉ねぎ、ピクルス、マスタード。
これまた普通の構成である。
違うとしたら、パテは9.6mmに挽いた、サカエヤのジビーフであり、バンズはビーバーブレッド割田さんに焼いてもらったという点だろう。
それにしても。
なんとも優しい。
噛んだ瞬間、慈愛に満ちた肉汁がほとばしり、なんとも穏やかな気分になるのであった。
同じジビーフのひき肉で作ったスパゲッティラグーソースもしかりである。
見た目はれっきとしたイタリア料理であった。
ソースをからめ、パスタを口に運んだ瞬間、体が弛緩した。
なんとも丸く、柔らかい味である。
噛み締めていくと、ジビーフ特有の草の香りが漂い、トマトの味わいと重なって、猛烈にワインが飲みたくなってくる。
なにエッチじゃないじゃないかって?
いや。
エロい。
食べ進むと、口説かれているかのように、心が疼き出すのである。
虎ノ門横丁「ボッテゴン
サカエヤ」特別イベントにて。
ほうき鳥のデクリネゾン
①胸肉とブイヨンクレール
クリクリした食感。コンソメがきれい。
②モモ肉とサンマルスランのサラダ
③鹿の血と金沢産針イカ
④牛レバーと……ニラ、もやし
⑤ハンバーガー
⑥ラグーとリングイネ
⑦経産牛リブロースのロースト



























