私は何を隠そう(隠しても意味がないが)「ポテトサラダ学会会長」である。
東に変わったポテサラがあれば走り、西に芋がおいしいポテサラがあれば飛んでいった。
居酒屋や洋食屋で、ポテサラがあれば必ず頼み、調査研究分類化してきた人間である。
しかしこんなポテサラを出されるとは、想像すらできなかった。
今まで食べてきたどんなポテサラとも形状が違う。
どんな味わいか、まったく想像できない。
思えば2021年にも「ポテサラ作って」と、奥野シェフにお願いしたことがある。
2枚めの写真がそれで、2種類のジャガイモと2種類のマヨネーズでポテサラを作ってくれた。
今回は二回目の「ポテサラ作って」という、無茶振りである。
元々、イタリア料理には「インサラータルッサ」というポテトサラダがあるから、そんな難題ではない。
しかし現れたポテサラは、逆に我々の方へ難題を突きつけてきた。
曰く、新じゃがと熟成じゃがいものエスプーマで、 下にはマディラ酒が潜んでいるという。
食べれば青い甘さと深みを増した甘さが交差して、胸がときめく。
熟練のマダムが高校生の若い男子と付き合っているかのような、禁断がある。
その禁断をマディラ酒が甘美にし、キャビアの塩気が甘さを引き立てる。
やるな奥野シェフ。
また2年後も無茶振りしようかな。