飯田「柚木元」

「柚木元」の秋。

食べ歩き ,

  • アケビ皮を刻んで半日水に晒してアク抜き揚げた 裏漉しした果肉のソースJ

  • アケビ皮を刻んで半日水に晒してアク抜き揚げた 裏漉しした果肉のソースJ

  • 黒皮キノコおろし醤油

  • 天竜鮎の子持ちタレ焼き 自家製栗の渋皮煮

  • アミタケ塩とごま油あえ

  • 天然舞茸の南蛮漬け

  • しょうげんじと信州牛煮

  • しょうげんじ

  • コボ 小さな松茸間引きの味噌漬け

松茸の真実を知る。

「柚木元」の秋は、そのためにある。

だがその前に出される前菜が素晴らしい。

一つ一つが秋の深さを感じさせ、これから始まる時間への気持ちを高ぶらせる。

アケビ。

刻んで半日水に晒してアク抜き揚げたアケビの皮に、裏漉しした果肉のソースを和えたもの。

 サクサクと軽快なクァの食感とソースのりんごジャムのような甘酸味が、食欲を刺激する。

天竜鮎の子持ちタレ焼きが自家製栗の渋皮煮を枕にして、泳ぐ。

小さいながら濃い卵の味と甘辛いタレとの出会いが、酒を呼ぶ

  極力砂糖を使わずに仕上げた渋皮煮の栗の甘みが優しく、心を和ませる。。

黒皮キノコとおろし醤油。

サクサクとした食感のキノコで、ほのかな苦味がある。

アミタケの塩とごま油あえ。

 加熱すると紫色に変色し、姿がレバーに似ているので塩とごま油であえてという。

味はほとんどないが、魅力のぬめり感をごま油が膨らましている

天然舞茸の南蛮漬け。

コリコリとした歯ごたえと酸味に、心が弾む。

しょうげんじと信州牛煮 

シコシコとしたしょうげんじ茸と牛肉の甘辛煮。

コボ(子松茸の味噌漬け)。

これが前菜の主役だろう。

小さな小さな、決して市場には出回らない松茸の間引きの味噌漬けである。 

これが出てくると松茸の季節がやってきたと、ざわつくのだという。

加熱をしないので、鮮度が良くないとこの料理にはできない。

口を開けた途端に香りが流入し、噛めば、クリクリッと弾みながら、純な香りで口中が満たされる