東京とんかつ会議81大森「鉄(くろがね)」上ロースかつ定食1500円
【肉3衣2油3キャベツ3ソース2御飯2味噌汁3お新香2特記なし計20点】各項目3点満点特記1点総計25点満点
黒と茶を基調とした店内は、従来のとんかつ屋のイメージとは違って、シックである。
「上ロースかつ」の中心部は、レア。しっとりと濡れている。壁の張り紙には、「無菌豚ゆえにレアで揚げています」と書かれてあったので、これはこの界隈に多いレア揚げの店系列だろうかと推測したが、食べてみると違う。中心部はレアながら、脂も脂下の筋もきっちりと火が入って、食感がいい。
しっかりとした歯応えの肉は、なによりその揚げたての甘い香りが素晴らしい。脂も優しく溶けていく。ただし締まった肉質ゆえに、食べ進むと、やや固く感じるやも知れない。
高温で揚げられたのであろう。衣は、肉がレア気味なのに、焦げる寸前までいっている。ほのかに感じる苦みが、肉の優しさを少し邪魔してしまうようで、揚げを一考されると、より良いとんかつになろう。
衣は、ラードの香ばしさを放ちながら肉に密着し、揚げてからしばらく休ませているため、皿との接地面もカリッとしていて、嬉しい。1500円でこの肉質と量は、お値打ちである。
ソースはやや甘めで、後口に不自然なうま味が残るのが気にかかった。キャベツは鮮度の高さを感じさせるみずみずしさ、豚汁は脂がきれいにひいてあり、とんかつとぶつからず、その穏やかな香りが定食を盛り上げる。
ご飯はやや固めに炊かれ、お新香はキャベツ、人参、胡瓜の浅漬け。アルペンザルツ、アンデス、パキスタンの三種の岩塩が置かれているが、一番大人しい、アルペンが一番この肉には合うようである
山本氏
【肉3衣3油2キャベツ2ソース3御飯2味噌汁3お新香2特記特上ヒレかつ1計21点】
河田氏