東京とんかつ会議 第34回 浅草「豚珍館」の「黒千定食(ロースカツ定食)」1000円

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東京とんかつ会議 第34回
浅草「豚珍館」の「黒千定食(ロースカツ定食)」1000円
<肉3、衣2、油3、キャベツ3、ソース2、御飯2、新香1、味噌汁2、特記なし 18
点(各項目3点満点、特記項目含め25点満点)>

 

六白黒豚という、4本の足と鼻、尾の先の6箇所が白い、鹿児島産バークシャー種純粋黒豚を使うお店で、「この価格で最高級黒豚を食べられるお店は当店だけです」と店内に書かれている。
確かに安い。今東京で、昼に千円で食べることのできる優れたとんかつ屋は、高田の馬場「成蔵」、池上「燕楽」、小川町「Tダイニング」、そしてこの店となろうか。
 穴場であった。変わった名前に、今一つ期待が高まらなかったが、いいとんかつを出す。ロースカツの肉は、歯切れがよく、甘味と黒豚らしいコクの深さがあり、グラム数は恐らく百グラム弱と少ないが、充分にとんかつの魅力は持っている。
油切れも良く、衣も香ばしいが、この肉であればより衣が細かい方肉を生かせるだろう。カツに茎ワサビをのせ、甘いとんかつ用醤油を漬けて食べるのを推奨するが、やはり塩で食べて、ご飯を掻き込みたければ、うま味のあるソースをかけた方が、この豚肉の持ち味が生きる。ただ芋焼酎を相手に、肴としてとんかつを食べる場合は、このやり方もありである。
ごはんも良質、豚汁もいい。キャベツはみずみずしくほんのり甘く、おかわり(100円)してしまった。この値段では致し方ないが、小鉢(ひじきの煮物)をつける代わりに、キャベツの浅漬けの質を高めれば、定食としてより魅力的なものになると思う。