僕は相当底意地が悪いらしい。
「レバーカツ」と「鶏の唐揚げ」。
次の会では何を食べたいかを、無茶ぶりした。
イタリアンでこれは、暴挙である.
だが心優しき奥野シェフは、何も言わずに受け止め、いつも想像を超えてくる。
レバーカツは、なんとジビーフのレバーを揚げてきた。
水や牛乳につけて血抜きや臭み抜きすることなく、そのまま揚げたという。
噛めば、ああ、甘い。
食欲を鼓舞する、締まった甘さがあって、体が上気していく。
つまりコーフンしていくわけですね.
草だけを食べいるジビーフを思ってだろう.
添えられたグリーカレペーストの爽やかな香りが、レバーを優美に感じさせた。
方や鶏の唐揚げである.
まったくイタリアンではない.
自家製ガルムでマリネしてから揚げたという唐揚げは、しっとりと柔らかく、対照的な衣の食感とあいまつ、唐揚げの醍醐味を伝える.
こんなに、想像を超えるなんて、又無茶ぶりしたくなっちゃうじゃないの。
「ラ・ブリアンツァ 」にて.