雪が降ったらカレーうどんを食べよう。
香ばしい湯気が、顔にかかる。
醤油と出汁とカレーの下手な湯気が、ふわんとやってくる。
匂いを心まで吸い込み、箸を取る。
ふうふうと息を吹きかけながら、つゆを飲む。
ネギを少しよけてうどんをすする。
カレー出汁の熱気が、喉を熱くする。
うどんを一筋すすっては、牛肉を食べ、二筋すすってはおつゆを飲み、三筋すすっては、玉ねぎやニンジンを食べる。
何も言わず喋らず、心静かに舌づつみを打つ。
七味をふりかけ、辛さに耐えながらうどんをすする。
ネギをからめてうどんをすすり、一人静かに悦にいる。
熱々のカレーつゆの辛さを、稲荷の甘さで受け止める。
そして雪の寒さから守るように丼を抱え、ひたすらやわなうどんをすする。