銀座の品が漂う割烹である。
ここの昼定食がいい。
日替わりで、煮物、焼き魚、煮魚、たんぷら、肉料理、刺身とあって、毎日訪れたくなる。
そして名物「鯛茶漬け」も待ち構えている。
器には、ゴマだれに浸かったタイの切り身が9切れ盛られ、二種類の小鉢とお新香、味噌汁、ご飯が添えられる。
まずは、鯛で白いご飯を掻き込もう。
タイの甘みにゴマダレのうま味がからみ、ご飯が猛然と進む。
全部これで食べたくなるところをぐっと我慢をして、タイをご飯に乗せ、熱々の玄米茶をかける。
鯛茶漬けというと、出汁をかける店が多いが、あれではうますぎてしまう。
玄米茶の素朴さがタイを引き立て、ザブザブとかきこめば、目が細くなって、無我夢中で食べ終えてしまうのだ。
「むとう」