どちらの精にもおぼれたい。 2019.09.21 食べ歩き , 東京 , 中国料理 , 甲殻類 Tweet 卵はそう。 温かみを内包しながら、てろりと舌に甘えてくる。 ミソはそう。 危うい秘密を隠しながら、とろりと口の中を埋めつくす。 上海蟹の卵とミソが、官能を撫でる。 どちらも妖しい色気を放つのだが、卵は穏やかなる精を含んで安寧に導き、ミソは奔放な精の勢いで翻弄する。 どちらの精にもおぼれたい。 無口になって、一心不乱に甲羅を舐めつくしながら、脳を溶かしたい。 上海「蟹王府」にて