東京とんかつ会議59回
両国 「はせ川」「上ロースカツ」(定食)1800円
【肉3衣3油3キャベツ2ソース2御飯2味噌3お新香2特記なし計20点】
今回の会議の課題は「極上ロースカツ定食(180g 220gもあり)」であったが、13時に出かけると、「本日分の極上ロースカツは売り切れました」と、張り紙が貼ってあり、やむなく「上ロースカツ」での会議参加となった。
飲食店ひしめく横綱横丁にあり、男性比率が高い店である。JAZZのBGMが流れる中、みな一心不乱にとんかつを食べている。見るところ、全員男性客なのに、人気なのか、たまたまなのか、「ヒレカツ」を食べている客が多い。丁度「半ヒレ」という、通常のヒレカツの半分のオーダーができるので、追加で頼んでみた。
「上ロースカツ」は、150gくらいだろうか、堂々たるカツである。細かい衣は、カツにぴったりと密着し、肉の断面はしっとりと濡れている。均等に火を通したカツをそのまま噛むと、何より豚肉の甘い香りが口いっぱいに広がって、目が細まった。脂もするりと溶ける。平田牧場3元豚らしい、素直できれいな味の豚肉である。肉もきめ細やかで、柔らかすぎず、歯を噛み入れる感覚が、肉を食べている気分を盛り上げる。
衣はサクサクと香ばしく、油キレもいい。よく見かける下に網を敷いて載せるやり方だが、下側の衣が蒸れてない。脂からカツを挙げてしばらく休ませ油を切ってから置いているのではないだろうか。
ソースは、辛口と甘口の2種類。辛口はキャベツによく、甘口は甘さがくどくないので、この豚の特徴であるかぶり部分(カツ右端の幅の狭い部分)は肉より脂身が多いので、そこに辛子と一緒にかけてもいいだろう。
塩とわさび、あるいはおろしポン酢の食べ方も進められる。しかしわさびは合わず、ポン酢は肉には合うが衣には合うようには思えなかった。新香は、胡瓜と大根の浅漬け、小鉢でひじきがつく。味噌汁は、三つ葉となめこの赤だしで香りがよかった。
半ヒレカツは、ロースと違って、衣がはがれており、肉自体もあっさりとしすぎ、断然ロースのほうがおいしい。