わけのしんのすとは?

食べ歩き ,

佐賀弁で「わけのしんのす(意味は、この時間帯では書けません)」と呼ばれて愛されるイソギンチャクは、一般的には味噌で煮て食べられるという。
牡蠣の肝のような食感と、さざえの身のような食感があわさっていて、肝の微かな甘味が滲み出る。
臭みがあるので、肝を半分ほど掃除してやるのがコツだという。
一方のエツの子は、魚自体にうま味があって、骨周りにうま味がある。
そいつを噛み締める楽しさがあって、フリットながら、ぬる燗が欲しくなった。
この日一番の傑作は、「緑茄子とバジリコのトロフィエ」。
煮溶かした茄子の優しい甘みが、てれんとトロフィエにまつわりつく。
それ小麦粉が少し溶けるような食感のトロフィエと同化して、なんとも穏やかな気分を呼ぶ。
佐賀県武雄温泉のイタリアン「souRce」梶原大輔シェフの作る料理は、地の食材への愛に満ちていて、その誠実さが心に響く。
前菜の「あなきゅう」ならぬ、「地穴子と夏野菜」は、5時に締めたと言う穴子の刺身と有明産のクラゲを海老という、異なる食感の魚介に、胡瓜を主体としたガスパチョを合わせる。
佐賀県小城氏の熊太郎トマトは、甘みだけでなく酸味もしかとあってブラッティーナの豊かさと見事に合う。
大浦のウニの柔らかな甘みに佐賀牛が寄り添う皿。
ウチワ海老の優しい甘みに、地元産フクユタカ豆の甘みが共鳴する皿。
ジャガイモと海苔の甘みが溶け合うニョッキ。
佐賀牛ハツの凛々しい鉄分を、きめ細やかな肉質を持つビーツの土の香りが鼓舞する皿。
果肉の穏やかな甘みと皮の酸味を備えた、珍しいシャポチカバという地元産果物とフルーツのテリーヌ、レモンのセミフレッドとチュイル、ルバーブのソースが織りなす、ドルチェ。
自然派ワインを中心としたグラスワインのペアリング。
巧みな有田焼皿と料理との出会い。
ううむ。これは季節ごとに訪れなくてはいけません。