真っ黒に焦げたパンが運ばれてきた。
開けると、中には、昆布に包まれた白アスパラガスがいる。
そして皿には鹿肉が横たわる。
高知「ヴィラサントリーニ」の前菜
「大豊町の鹿肉の温製カルパッチョ。コールラビペーストとネギオイル添え。と菜の花白アスパラの昆布締めパン釜焼き、酒粕と焦がしバター、白味噌と鹿のブロードのスープ」である。
鹿肉を食べればどうだろう。
ああ、しなやかな鹿肉が舌に吸いつき、舐めて、しなだれる。
命のエロさがあって、コーフンするのだが、そこをうまみがまろやかなスープが沈めるのである。
そして昆布のうまみをかすかに宿したアスパラガ、春を告げる。
ヴィラサントリーニ」のすべての料理は、別項で。