1/11「居酒屋兆治」函館

日記 ,

1/11「居酒屋兆治」函館
雪道をそぞろ歩いて、「居酒屋兆治」にたどり着いた。
お父さんと息子が出迎えてくれる。
地の食材を地元流に作り出す。
ただそれだけが、なんとも嬉しい。
酒は男山の特別純米にした。
刺身の盛り合わせは、つぶ貝、赤貝、ヒラメ、蛸ぼっちを選ぶ。
ヒラメはねっとりとした甘みがあって、つぶ貝をシコッと噛んで、赤貝の爽やかな香りに目を細める。
たこぼっち、たこの頭は足とは違う歯ごたえが嬉しい。
たちのポン酢は、なによりもたちの味がきれいでよどみがない。
味の奥底に、かすかにある精がコーフンを呼ぶ。
アンコウの共和えは、きもの味がゆっくりと広がる中で、クニュクニュとアンコウの味が悶える。
この辺りで大雪の蔵純米のおかんに変えようか。
ババガレイの煮つけは、しなやかな身がほぐれ、卵が酒を呼ぶ。
そしてごっこ汁は、プルプル、ふわふわ、コリリとごっこが歯の間で主張し、そこへ卵やら肝も参加して、函館の冬を深めて行く。
具沢山のポテサラは楽しく、企業秘密の手間暇をかけたというポテトフライを噛めば、芋の甘みが爆発する。
最後は、いくら丼の小さいので締めた。
いくらはプチプチと弾けることなく、ねっとりと卵本来の甘みを舌に広げながら、ご飯の甘みと抱き合った。