なんというワンタンだろう。
いや水餃子か。
いやそんなことはどうでもいい。
皮を噛むとむっちりと歯が包まれるのだが、噛もうとすると消えてしまう。
中にわずかに入った肉餡と一緒に溶けていく。
これは春の夢なのか。
タレは、ギリギリの香ばしさで収まって、尖ったところが微塵もなく、辛く酸っぱいが、甘味を感じさせ、ワンタンと舞を踊る。
雲のように隆々としていながら、どこまでも軽い。
雲を呑む。
これこそが「雲呑」という呼び名がふさわしい料理である。
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