濃いミソがみっちり詰まってるという紋別の毛ガニは、今が旬である。
まずは身を取り出した殻で出汁を取る。
そこに蟹ミソを漬けて一昼夜置き、身を入れてじっくり火を入れていく。
優しくふくよかな蟹の甘みも、心をかきむしるミソの濃厚なうま味も一つとなって、舌に、口に広がっていく。
出汁も身もミソも出しゃばらず、丸く、ふわふわと体の中に落ちていく。
穏やかさもありながらと濃密もある。
その相反するの不思議にうろたえて目をつぶると。自らが毛ガニと合体して一つになっていくのがわかった。
三谷にて。
濃いミソがみっちり詰まってるという
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