「遠太」を後にして、近くの「中ざと」を覗く。
寡黙なご主人、明るくおしゃべりなチャキチャキの女将さん。
老夫婦が切り盛る半世紀以上の歴史ある酒亭だ。
カウンターに座るなり「煮込みとぬる燗」と頼むと
すかさず隣に座った常連のおばちゃんが、
「この鍋見るとつい頼みたくなっちゃうのよねえ」と突っ込む。
ここは下町。
常連のおじちゃんおばちゃんたちが、平田犯人や宝くじの話で盛り上がっているのを肴に会津誉を一本
「ポテトサラダないんんですか?」と聞くも
「今日はマカロニサラダ。マカロニん時はポテトはやらないの。ポテトん時はまかろにやらないの」。と、女将さん。
どうやら今夜はポテトサラダに縁がないと、マカロニサラダを頼む。
もう一本会津誉をいって席を立つ。
次は駅そばの「弁慶」で、もつ焼きかな。
三ノ輪「遠太」、「中ざと」を経て「弁慶」へ。
ここも常連客で一杯だ。
コートをかけようとしたら、常連の中年男性がハンガーを手渡してくれる。
すかさず連れの女性から
「あんた、気が利くときもあるんだねえ」と言われ、はにかんだ。
「スイマセン、今日はモツの種類が少なくなっちゃって」
と言われるが「3~4本見繕って、後熱い酒」。
とコップ酒と煮込みモツ串で過ごす。
早々にここを出て、「丸千葉」までテクテク歩く。
「丸千葉」も満杯だ。
菊正頼めば、「はいよ」と、いつもの調子で若主人威勢がいい。
こうでなきゃ。
客の喧噪に若主人の気風が合いの手入って、酒のリズムを高めてくれる。
さあつまみはなんにしようかな。
赤字で書かれた短冊に「おせち」。
これだ。これ。
下町の居酒屋では、必ず年明けにはこんな品書きがある。
そういや「岩金」でも数の子食ったなあ。
食べ飽きてるだろうに、また頼んで顔崩し、酒が進んでしまうは酒徒の性よ。
菊正もう一本。
仕事始めの独酌はしご酒。三ノ輪編
四軒回って 4700円。
いやあ、そろそろお時間もよろしいようで。