「作り置きが効かないので、30年間、毎日作っています。
でも今の時期が一番苦しい。
なぜならイワシがおいしいから。
脂がのって力強いイワシに対して、どのジャガイモを使うか。あるいはどのジャガイモを組み合わせるか。
この時期は毎日のように悩みます。
でもこの辛さがあるから明日がある。
この辛さがこそが、今までやってこれた力をくれたのだと、思います」。
「ラ・ブランシュ」田代和久シェフのスペシャリテ 「イワシとジャガイモの重ね焼き」である。
料理を前にして、67歳のシェフは、そういわれた。