魚の甘さが、咀嚼によって膨らんでいく。 2020.06.18 食べ歩き , 白身魚 , 割烹 , 愛媛 Tweet 白身魚は、最初からうまみがきてはいけない。 喉に落ちる刹那に、うまみが深まるのがいい。 その握りがまさにそうだった。 「しこり」と囁くような弾力があって、噛んでいくと次第に旨味が上がって来る。 なにより、精妙に考えられた、厚みかいい。 魚の甘さが、咀嚼によって膨らんでいく。 咀嚼によって、酢飯と魚が舞い、互いの甘みを交換する。 その自分の行為に酔うのであった。 松山「馳走や河の」のクエの握り。