西麻布・ブルスタ
外苑西通り沿いにひっそりと佇むガラス張りの店。店内に入ると、左手厨房の前に六席のカウンター。手前厨房横に四席の卓、カウンター後ろに二席の卓。切り盛るは花房恵悟シェフとソムリエ西山綱重さんのお二人。定番のメニューのほか、手書きされた食欲そそる旬のメニューが手渡される。
まずは、みずみずしさの中からたしかな辛味が刺激する、新鮮な「からし菜のサラダ」で舌をリフレッシュてはいかがか。三時間煮たという「銚子産秋刀魚のコンフィ」千円のしっとりとした身と、切れのいい脂を楽しむ。プリモピアットではまず、「数量限定でスイマセン、ホントにあっさり、でも、しっかりの自家製ラザニア」千六百円が欠かせない。文字通り軽くて重い。肉のたくましいうまみが舌に乗ってくるが、脂の重みを感じさせず、後口の切れがよいゆえ。ベシャメルソース、チーズ、パスタ、トマトソースのバランスが見事で、ついもう一皿頼みたくなる。またある日のメニューからは、「丹波篠山産猪のラグー 手打ちパスタタリアッテレ」千八百五十円が秀逸。栗と猪の香りが調和した豊かな味わい。
メインでは、鹿、骨付き仔羊、イベリコ豚など、その日仕入れた肉の炭火焼がお奨め、「岡山産猪」は、野生猪ゆえの赤い鉄分に富んだ肉質で、肉を噛み締める喜びに満ち溢れる。
ワインはトスカーナ中心に、イタリア以外も幅広い。西山さんの説明を聞きながら、数多いグラスワインを頼んでも楽しい。またお値打ちな本日の隠しだまもあるので、相談されるとよい。
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