茸と小麦のからみあい。

食べ歩き ,

お目当てはポルチーニだった。
「青森県ニンニクとしらすと青のり」
「ナポリ風」、「ジェノベーゼ」、「モッツァレラとトマト」と来て、5枚目に、ポルチーニは登場した。
チーズで濡れた生地の上て、ポルチーニがてろりと輝く。
いやんなっちゃうほど、艶っぽい。
生地を持って齧り付けば、ポルチーニの傘が、クニュンと、上の前歯に食い込んだ。
いや抱きついたと言ったほうがいいかもしれない。
一方下の前歯には、薄いローマ風の生地がしなやかに、食い込んでくる。
上の妖艶と下の質実は、一瞬で混じり合い、茸の香りを撒き散らしながら、喉へと落ちていく。
これは1人一切れは辛い。
できれば、一枚を、そわき目を降らずに、1人で食べたい。
いや目の前に美女がいて、赤ワインがあって、 2人で仲睦まじく分け合うのもいいな。
代々木「ピッチェリア・ロマーナ・イル・お目当てはポルチーニだった。ペンティート 」。