米が言っている

食べ歩き ,

米が言っている。
これが焼き飯であると。
米一粒一粒が満遍なく、しっかりと焼けていて、わずかな、それも少しだけ焦げた醤油をまとっている。
レンゲで口に運べば、その香ばしさをまき散らしながら、パラパラと、ハラリハラハラと米が踊る。
人参、筍、叉焼、そして玉子までが細かい同寸で、焼けた米の味をじゃませぬよう、舌の上で舞う。
グリンピースがいいなあ。
ヘタにスープなんかついていないのがいいなあ
中華鍋に米を入れて、ヘラでとんトントンたたき、細かく返す。
それを十二回繰り返して焼飯は出来る。
今まで何万回作ったのだろう。
この焼飯には一切の無駄がない。
その潔さが美しさとなって、僕の心に染みいっていく。
京都は盛京亭の焼飯。