福来雀がこちらを見ている。
寒さを防ぐために羽毛をいっぱいに膨らませ、丸々とした姿になった雀は、稲穂を加えながら、今年の豊作を契る。
雀は弥生時代、稲作の到来とともに日本にやってきたという。
古来は稲穂を食べる害虫ともされたが、やがては豊かな実りの象徴とされた。
山で道に迷っても、雀がいれば近くに人家があるとされ、人いなくなったところには雀はいないと言われるほどに、人と共存してきた鳥である。
「大夢」のお二人は、開店前に富山岩瀬の木彫家岩崎勉氏と出会い、玄関口に飾るふくら雀と稲穂の彫刻をお願いし、2年半かかって完成し、さらにそこから飛び出した雀をおながいし、今年ようやく完成したのだという。
手のひらで雀をを包むと、生きているような温もりを感じる。
小さなはね一枚一枚、稲穂を加える嘴、、前方に3本、後方に1本の指がある足、ピンと勢いよくはねる尾羽、こちらを見つめる眼差し。
すべてが生きている。
なんと精巧、精妙なのだろう。
造形物を見ながら、自然への畏怖と感謝を感じる瞬間がここにある。
5月の「大夢」にて





