東京とんかつ会議94
中目黒「とん亭」黒豚ロースかつ定食1920円
【肉2油2衣2キャベツ2ソース2御飯2味噌汁3お新香3特記なし合計18点】各項目3点満点総計25点満点
地元で長く愛されてきた店だろう。一人客も多く、昼時は次々と客が入ってきて、メニューを見るまでもなく注文をしている。
豚肉はキメが細かく、質の高い肉だが、揚げが深すぎて、肉の味がやや薄れてしまっているのが残念である。衣はかなり粗い。それゆえ油を吸って、惜しいことにその香りが豚肉の甘い香りをマスキングしてしまっている。その油は白絞油か植物性だろうか、油にもう少しコクが欲しい。
ご飯は香り高く、ほの甘みもあって、充分。信州味噌汁を使った味噌汁は味噌の香りが立ち上がり、香の物は、胡瓜、人参、大根の浅い糠漬けと、必要にして十分。とんかつの味をリフレッシュさせてくれる。ご飯、味噌汁、お新香の味わいが確かで、定食としては上出来である。
キャベツはやや乾燥気味で、ソースは甘みが強いが、この衣に合わせるには、これくらいの強さがちょうどいいだろう。どちらかというと、黒豚を選ばずに、ランチのカツを頼み、ソースをかけてご飯を思う存分に描き込む。そんな利用の仕方がいいのかもしれない。