東京とんかつ会議219西神田「とんかつ九六喜」

東京とんかつ会議219西神田「とんかつ九六喜」

特選ロースカツ御膳2600円【肉3油1衣2キャベツ2ソース2ご飯3味噌汁1お新香2特記なし合計16点】各項目3点満点特記1点総計25点満点

学生主体の「安い.うまい、早い」の食堂がひしめくこの界隈にて、昼から立派な値段でやられているとんかつ屋である。

写真をアップしてもらえればわかるが、こちらのとんかつは、中心が生肉に近い薄赤色で、レア気味に揚げたとんかつである。しかしいつも思う。レア気味で美味しいのかと。

肉は火を入れた方が風味が増す。何も薬味が入ってない牛肉のタルタルとステーキを考えれば、明白だろう。

とんかつもまた然り。中心まで正確に火を通してこそ、豚肉のうま味は存分に引き出せる。

さらにはレア気味だと、筋に火が通りきらず、噛み切れないことが多い。肉もレアの部分はぶよっとして、あまりいい食感ではない。

とんかつは、きっちりと火を通してほしい。いつもそう思うのである。

その意味でこちらのとんかつは、豚の質を良さそうなのだが、それをあまり感じられなかった。また右側のかぶりの部分の筋に火が入りきらず、いくら噛んで口の中からなくなっていかない。ゆえに揚げの技という意味で油は1とした。

衣はきめ細かく良いが、ところどころはがれ気味である。良き肉を使われているだけにもったいない。

脇役では、かなり鰹節が効いた汁に豚肉をミンチ団子にした豚汁が、珍しい。お新香はしば漬けと大根漬けが少しと寂しいし、とんかつの味をリフレッシュするお新香ではない。

スダチが添えられ、唐辛子を入れた醤油、胡麻、胡麻を擦り用の小さなすり鉢、ワサビ、レモン塩とインカ塩が用意され、おすすめ調味料の合わせ方として、レモン塩と白胡麻油、インカの塩とわさび、特製醤油とわさび、中濃ソースとすりごまとある。

全部試して見たが、塩だけに勝るものはなく、唯一かつと合うのは、、すりごまとソースだけだった。

好みは様々なので余計なおせっかいかもしれないが、市販練りワサビの香りは豚の脂の甘い香りを邪魔してしまう。

唐辛子などを漬け込んだ特製醤油は酸味がないので揚げ物には合わない。レモン塩と、太白ごま油は、レバ刺しをイメージしたのかも知れないが、揚げものに油をつけることに抵抗があった。

諸々を整理して、とんかつ一点に注力すれば、良くなっていくだろう。

だが折しも若い女性客が、醤油わさびを食べて「やばっうまいっ」と、叫んでいた。

山本氏17点 河田氏18点