東京とんかつ会議16
蒲田「鈴文」の特ロースカツ定食2100円。
<肉3、衣2、油2、キャベツ2、ソース2、御飯1、新香2、味噌汁2、計16点>
新宿中村屋で修行後、この地にて20数年営むとんかつ屋さん。70半ばになるというご主人が、淡々と律儀にカツを揚げる姿が実にいい。
特ロースカツは堂々たる大きさで、厚さも立派。衣が焦げ茶になるほど、高温で揚げているが、揚げ上がりの肉は、中心がほんのりロゼで、しっとりと肉汁が滲み出ている。
噛めば、豚の甘みが充分あって、味がきれい。噛みしめる喜びがある。ただし、食べ進むと端の肉は、余熱で火が入り過ぎ、しっとり感が無くなっていくのが惜しい。肉にぴったりと密着した中粗の衣は、ガリッと音を立て痛快だが、揚げこんでいるため、ほろ苦い。
また少々油を吸い込んでいるのも残念だ。
ソースは甘目、キャベツは乱切り。人参がたくさん入った豚汁、白菜の新香の細切り。
ご飯は水分が少なく、カツを受け止めるには物足りない。お新香300円を追加したら、白菜のお新香がどっさりと出てきた。この3/1でもつけてくれたら、より魅力的な定食になると思う。