東京とんかつ会議 199 千駄木「とんかつ三矢」 上ロース定食1900円
【肉2衣2 油2キャベツ2ソース2ご飯2味噌汁3お新香1特記なし。16点】
「揚げ方はミディアムでお出ししていますがよろしいですか?」
数多くとんかつ屋に行ったが、こんなことを聞かれたのは、初めてである。
またビールを頼むと、
「定食のお新香をおつまみとして、先に持ってきましょうか?」とも聞かれた。
気配りが良い店である。
とんかつの肉は、桃豚というブランドで、SPFだけに味がきれいである。一口目はすっきりとしていながら余韻に旨みが残る。
それをラードで揚げる。中粗の衣は、サクサクとして歯切れも良く、香ばしい。
ただし揚げ方に、もう一工夫が必要だと思われる。とんかつは、赤身、脂、スジという火の通り方が違う部位を同時に、最適に揚げなくてはいけないという困難な命題がある。
上ロースは片寄りの部位であったのだろう。赤身の中に脂が差し込んでいておいしい。だが脂の下の筋への火入れが十分でなく(生という意味ではない)、うまく噛みきれなくなってしまっていている。赤身肉への火入れは申し分ないいのに、惜しい。そのため油はラードと素晴らしいながら、2点とした。
味噌汁は豚汁。お新香は旨味の強いキャベツ浅漬で、やや物足