新いくらには、命の目覚めが眠っている 2019.09.10 食べ歩き , 東京 , 割烹 , 魚卵 白子 Tweet 新いくらには、命の目覚めが眠っている。 色気を伴い、品をまとって、こそっと香る。 口に含むと、はかなくつぶれて液体となり、喉に流れ落ちる刹那、ふっと香りを広げるのだった。 「僕らは生きているよ」と、精の証を伝えくる。 だから塩加減に、気を緩めてはいけない。 多過ぎれば香らず、少ないと、余計な匂いが出てしまう。 智映が作った新いくらは、塩が精妙に決まって、はかなくも、命の艶たる香りを漂わせ、僕をコーフンさせるのだ。