午後4時半

日記 ,

午後4時半、僕はマラスの村に立っていた。
ひっそりと日没を待つ村は、風の音しか聞こえない。
遠くで遊ぶ子供たちの声も、うたかたのようだった。
犬はやる気なく横たわり、ロバは重い足取りで歩いていく。
のったりのったりと過ぎていく神が定めた時間に、人間も動物も、力を抜いて身をゆだねていた。
村はどこも、質朴に満ちた、息をのむような美しさに輝いている。
僕は急に自分が恥ずかしくなってため息をつき、羨望の眼差しで立ちつくした。