セントラル」の後半。

食べ歩き ,

  • COLORS OF AMAZONIA

  • HARVEST AND COLLECTION

  • CLOSE FISHING

  • LOW ANDES MOUNTAIN

  • MAZONIAN RAINFORE

  • GREEN HIGHLANDS

  • MEDUCINALS&PLANT DAYS

リマ、伝統と最先端が折り合う、今世界で最も注目されるレストラン「セントラル」の後半。
10)EXTREME STEM 4100m 「根」
3千とも6千種類ともあるとされるペルーの芋の中より、OCA 芋虫型の芋、OLLUCOオジュコ、薄赤紫の小さいジャガイモ型の芋、中は薄黄色、MACA ペルーに植生するアブラナ科の多年生植物の塊茎にELDERBERRYをあわせた料理
各芋がチップになっていて、噛み締めると芋の甘みが滲み出る。その素朴な甘みとサウコ(エルダーベリーの仲間)の濃厚なソースとの味のメリハリが見事。
こうした野生に近い食材を、モダンに変化させて食べる快楽がここにはある。

11) COLORS OF AMAZONIA 450m 「アマゾニアの色」
�PAICHEピラルクー/Sachapapa(紫色のヤムイモの仲間)/pijuayo椰子の一種/ungrahui椰子の一種
半干しにしているのだろうか、ピラルクーの肉がねっちりとし凝縮して、よりうまい。
川魚だけに水分が多いゆえに半干しの脱水具合がいい。それとナッツのクリームの香りがよくあう

12)HARVEST AND COLLECTION 50m 「収穫と採集」�
LETTUCE/ SCALLOPS /SWEET POTATO LEAF/Steviaキク科の多年草高甘味度甘味料に使われる。
ソテーしたレタスのほろ苦み、半生に加熱した帆立の甘みとの出会いがエロティック。芋の葉やステヴィアのアクセントもいい。
13) CLOSE FISHING -10m 「浅瀬の漁」
OCTOPUS/Yuyo海藻/Barquillo ワッフルor煎餅
蟹と蛸の白いクラッカー、イカ墨海藻の黒いチップス、蛸。タコを食べてからチップスを齧ると海藻とイカ墨の香りが蛸を包んで海底に惹きすり込まれる。後ろの器には、濃密な味わいの蛸のコンソメ。

14) LOW ANDES MOUNTAINS 1800m� 「アンデス低地山脈」
QUINOAS/BEEF/AIRAMPOサボテンの一種/Muna細長く小さいトマト
Beef cooked sous-vide for 24 hアイランポ(サボテンの一種):24時間かけて真空低温調理した牛肉と緑・ピンク・黒のキノア。ピンクのキノアはアイランポで色付けしたという。舌の上でほろりと崩れる牛肉と、プチプチと歯の間で砕けるキノワと後費が面白い。別皿は、ミルクのチップ。肉と乳を食べさせる趣向。

15) AMAZONIAN RAINFOREST 650m 「アマゾンの熱帯雨林」�
Cocona柿を長細くしたような形の黄色い果物で淡い酸味/がある PITAHAYAドラゴンフルーツ/lemongrass/ ROSE APPLE 
Coconaにパプリカパウダーをまぶし、レモングラスパウダーやローズアップルのフォームを添えたもの。Coconaのほの酸っぱ甘い香りとレモングラスの香りとの相性がいい。

16) GREEN HIGHLANDS 3800m �「緑の高地」
CUSHURO クシュロ黒タピオカのような海藻• CACAO • CHACO CLAY食用粘土Retamaマメ科植物
:チョコレートアイスとクシュロで作ったチップ、ホワイトチョコレートとチャコ粘土をあわせたスライスとパウダー。柔かさの中に、微妙な様々な食感と、それによる味わいの開き方が楽しい。

17) MEDUCINALS&PLANT DAYS 3050m 「薬用植物の日々」
Congona/Matico.Malvaウスベニアオイ.pilipili
古来よりペルーの高地で葉、様々な薬草が栽培されてきた。最後のデザートは、その行為への想いを込めた一皿。芋類料理とともに標高が高い。
3時間で、高地、大地や草原、ジャングル、海の底へと旅した我らは、再び高地へと戻っていく。皿が進むごとに、多様な地形が生み出した、他に例をみない生物的文化的多様性に感じ入る。
 ペルーの地は、異常気象も含む多々の天候という無秩序にさらされてきた。だが人々は、それらを叡智で乗り切り、秩序を作り、食文化を生み出してきた。
 この国は、この国の人たちは、常に変化しうる自然に対応していく術を生み出すのが得意なのかもしれない。いやそれこそが、長く生きらえていく術だと知っている。

そういう意味で「セントラル」の料理は、今までどこにも存在しなかった素晴らしき最新の料理であるが、常に自然に対応した進化を求めるペルー人気質の伝統でもあるのではないだろうか。