代官山・ラ・フォルナーチェ

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八幡通りに面したビルの地下。階段を降りていくと、細長い店内の奥に厨房があり 、その前に四席のカウンター、後ろ壁に向かって四席のカウンター。テーブル席二卓六席。イタリア語ラジオが流れる中切り盛るは、若き男性二人。朝十時から夜十一時までの通し営業で、朝はカップチーノ、昼はパニーノとリゾット、夕方はエスプレッソと焼き菓子、夜はバールという、自由に時間帯によって使い方が出来る。

バスタはなし。バール感覚で小皿料理を頼み、酒を飲むのが当店のスタイル。まずは一週間塩漬けにしたブレザオラ「自家製牛の生ハムとマッシュルーム」八百円、「ヒコイワシのマリネ」辺りからスタートし、優しい味わいに思わず顔がほころぶ「馬モツ(腸)と豆の煮こみ」八百円、バジルソースとモッツアレラ、パルミジャーノを挟んで焼いた「バジルとモッツァレラチーズのクレープ」八百円、店員の実家長野から送ってくる香り高い「ルッコラ」などでワインをあおる。さらには、牛スジと似てコクをダシ、深く穏やかなうまみに頬落ちる「トリッパの煮こみ」、ジューシーな「鶉の串焼き」、按配が見事な「ジャガイモとゴルゴンゾーラのコロッケ」、鉄分に富む「蝦夷鹿のローストセージ風味」千三百円とワインが進む肴を頼むと楽しい。料理は、五百円~千三百円。これぞまさにイタリア風居酒屋。いや伊酒屋か。

閉めは豚と葱の煮込みをかけた、香ばしい「焼きリゾット」でしめる。ワインも手ごろでグラスワインも五百円から。グラッパ類も充実している。

 

閉店