二つの甘み

食べ歩き ,

クリーム色の淡雪にスプーンを差し込むと、オレンジ色の肢体が顔を出した。
菊芋のムースとウニである。
優しく朴訥な甘みと豊満な甘み。
里と海の甘みが出会い、抱き合う。
二つの甘みは、相手に敬意を払うかのように、互いを立てながら一つになる。
異なる甘みが一つとなり、新たな天体となり、優美な香りを立てながら消えていく。
我々ができることといえば、その味わいと香りに陶然となりながら、静かに微笑むことだけである。
「アルシミスト」のスペシャリテ。
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