レバーの三文字に弱い。
味噌ラーメンを食べに来たのに、「レバー揚げ」の文字を見つけて、無意識に頼んでいた。
さらに野菜も食べなきゃと、きゅうりニンニク和えや辣キャベツも頼んでしまい、レバー揚げが運ばれた瞬間、ハイボールも頼んでしまった。
ここは、琴似「白狼軒」。ビスクのようなスープがうまいと聞いて、エビミソラーメンを食べに来た親父は、すっかり昼からプチ一人宴会である。
この後餃子にしようか悩んでいたところに、社のユニフォームを着た近所の
サラリーマン3人組が入店し、一人が汁なし担々麺、二人が海老味噌ラーメンを頼む。
この機に乗じないといけないと、「僕も海老ミソラーメンください」と乗っかってみた。
後から一人きた若者も、海老味噌ラーメンである。
うむ、少しずつ名物となっているのか。
現れたラーメンは、もう丼から甲殻類特有の香りが立ち上がって、「海老ミソでござい」と言っている。
飲めば、こっくりと濃厚な海老の出汁がにじみ出ていて、ここにバターを入れたら、パリでも流行るに違いない。
ただしここは琴似。開店から1時間立っても客は4人。
まだまだ流行るには遠い道が待っている。
頑張れ店主、注文が一気に入っても動じることなく、手早く料理を作る若者よ。
孤軍奮闘の先に開かれた未来に向かって。