マクワウリのスープである。
とこう書いても、どんな味だが想像できまい。
僕も飲むまで、予想がつかなかった。
とろりとしたスープは、舌にゆるゆると流れて広がっていく。
うっすらと甘みがあって、微かに青臭い香りもある。
ほほうと思いながらごくんと飲み込めば、途端にメロンの香りが漂った。
同じウリ科ゆえの香りなのか。
そこはかとなく、あの甘い香りが口の中に残るのである。
「一切水は加えていません」。
そう瀬戸シェフは言われた。
作り方は以下だという。
自家畑で収穫した自然栽培のマクワウリを半割りにし、種の所をスプーンでこそぎ取る、
タネをを鍋に入れて軽く沸かし、水溶化したらザルでこし、その水分で皮付きのまま乱切りしたまくわウリに火を入れいく。
ミキサーでピューレにして裏漉ししたら、糸島の塩(またいちの塩)だけで味を整える。
マクワウリの角切りと水切りをしたジャーマンヨーグルトを添えて出来上がり。
添えてあるチップは、濾した後のウリ皮に少し塩を足し、薄く伸ばしてオープンで乾燥させたのだという。
自分で育てたマクワウリを余すことなく使い切る。
そのことで生まれた甘やかな香りを、じっとりと楽しんだ。
野菜料理は面白い。