福井「ラッセ」

パスタ聖地。

食べ歩き ,

その店は、月に2.3日しかやっていない。
しかも前回は、2ヶ月前だったそうで、その時は40人お断りしたという。
開店の告知は、インスタのストーリーズのみで、予約もできない。
「レストラン営業は、気晴らしで良いんです」。
そうシェフはいう。
店は住宅街にあった。
昔は喫茶店だった店を居抜きで借り、看板もない。
8席のカウンターを目指して、次から次へとお客さんが入ってきては、断られる。
メニューは、11種類とデザート2種で、シチューとハンバーグ、カレー以外は、すべてパスタである。
みなさん、レストランでパスタを食べ、もっと食べたいなあという気持ちを持たれたことがあると思う。
そんな気持ちを察して、シェフのパスタは、一人前140g..大盛りで200g..特盛で300gもある。
前菜はラビオリからいった。
シェフの作るラビオリは軽い。
東京でいただいた時からそうだった。
なにしろ、「ダルペスカトーレ」のナデイア譲りである
天使の羽衣の如く、噛んだ瞬間にするりと逃げていく。
南瓜の甘みと粉の甘味を漂わせながら、喉に落ちていくのだった。
次が「もち海老のロワイヤル」である。
もち海老の殻2kgからとったというビスクが、ソースになっていた。
海老の滋味を濃密にして、口に突っ込まれたような衝撃がある。
海の豊穣で、口が満たされる。
しかし新鮮な海老のため、後口が澄んでいる。
だから次々とフォークが伸びてしまうのだった。
次は、「タコのやわらかトマト煮」でである。
マルケ州アンコーナ風に、よくよく炒めた人参がゴロゴロと入っている。
人参の甘みとタコのうまみが溶け込んだソースに、笑う。
ひたすら笑う。
さらに「サルシッチャ」もお願いした。
ほぐされたサルシッチャのうまみと香りが、力強いトマトソースの中から拳をあげる。
三人でパスタ四皿、一人180gは食べている計算になるが、三人とも難なく食べてしまった。
グラスワインを3杯飲んだが、一杯の量が半端ない。
一杯600円だが、ボトル一本三杯どりで、ワイングラスに並々と注がれるのであった(つまり1人で一本飲んじゃったのね)。
薄く薄く作った生地とイチゴ、クレームシャンティによる「イチゴクレープ」と、パルミジャーノがたっぷり入れられた「ミラノ風チーズケーキ」も素晴らしかった。
村山シェフ、また来るね。