カツ丼には、三つの要素が欠かせない。
一、揚げたてであること。
二、肉は、ご飯や玉子と一体化したおいしさが掻き込める厚さであること。
三、蓋つきであること。一瞬の蒸らしで味がなじみ、蓋を開ける行為が発奮度を高める。
さあ、カツ丼は選んだ。
丼が出されたら、直ちに片手で持ち、脇目も振らずに掻き込むべし。
一息ついたら、丼の底に意識を集中させ、一気呵成に終盤まで駆け抜けるべし。
背筋はすっと伸ばし、隣客の邪魔にならない程度にひじを張ると姿がいい。
もちろん終止無言。
カツ丼の似合う男は、カッコイイ。