オムライスの前では子供になる。

食べ歩き ,

オムライスの前では子供になる。
「わあい」と心ではしゃぎながら、艶やか美肌をスプーンで割る。
すると、ご飯と混じりあった黄色い半熟が、ぴかりと輝く。
オムライスの命は玉子だ。
薄焼き玉子はほどよい厚さで、外はふんわり、内はしっとりと、チキンライスを慈しむように包み込んでいて欲しい。
たとえ姿が変わっても、ふわりと焼き上がった優しい玉子が、パラリと炒まったご飯と出会ってこそ、オムライスはご馳走になる。