一口食べた途端に、命の鳴動があった。
北三陸ファクトリーのウニ牧場の蒸しウニである。
四年かけて育て上げ、弱火から強火へと、ゆっくり蒸し上げたウニだという.
口に滑り込ませると、濃縮したウニの甘みが広がるが、すぐに蟹味噌のような味が流れてきた.
そう、ウニの甘みと蟹味噌に似たコクが抱き合って、舌を舐め回すのだからたまらない.
即座にご飯が、酒が恋しくなる。
熱々ご飯に乗せれば、甘い香りが膨らんで、ご飯の甘みと響き合う。
今度は手巻きにしてみた。生ウニの若い色気と異なり、これは円熟した色気が、海苔を米を生かす。
この場合、ウニを中に巻き込むのではなく、ご飯を巻いた上に、このウニをたっぷりと乗せて、かじりつく方が、おいしい。
やってご覧なさい。止まらなくなるから。
さらに煮切り酒と醤油で、寿司屋でいうところの煮切りを作り、ごはんの上にちょいちょいと垂らすと、もういけません。
際限なくご飯がいけてしまう。
さあこの辺りで、お酒の出番です。
燗酒にしたお酒を傍に置いて、ウニをひと舐めにしたら、すかさず燗酒をちびり。
ああ途端に香りが色っぽく、恥じらうではありませんか.