ふわりと肌に優しく、優美に笑う。 2021.05.23 食べ歩き , 東京 , すし Tweet その色艶は、恥じらいようでもあり、自らの命を誇示しているようでもあった。 口にするとしなやかに崩れて、酢飯と舞う。 脂は充分にのっているが、その脂が舌にまとわりつくことなく、すうっと綺麗に消えていく。 金目鯛特有の、身や脂のダレも一切ない。 絹の衣のように、ふわりと肌に優しく、優美に笑う。 やがて酢飯も金目鯛も消え、春風に似た長閑けさだけが残った。 「鮨さいとう」にて