なぜ店名がカプリ島なのか。
店主がナポリ好きなのか、イタリアン出身なのかわからないが、昔ながらの洋食屋である。
老夫婦でやられていて、ご主人は寡黙で、仕事がとにかく早い。
エビフライは、高温で揚げすぎの感があるが、仕事の早さを考えれば致し方ない。
面白いのは付け合わせで、もやしを徹頭徹尾炒めたものと、玉子焼きが付いてくる。
今回はエビフライでビールを飲んで、シーフードグラタンスパゲッティで炭水化物を取るという作戦だった。
おばさんに「エビフライ単品とシーフードグラタンスパゲッティをください」と頼むと、丁寧に復唱された。
しかし、やや揚げすぎエビフライの後に出されたのは、グラタンのホワイトソースをフォークですくうと空振りをした。
すくってもすくっても、探しても探しても麺がいない。
瞬間マカロニかと思うものがあったが、イカだった。
つまりシーフードグラタンだったのね。
口の中ではすっかりスパゲティを食べる準備ができていたというのにやるせない。
そこで、炭水化物を注文することにした。
スパゲッティでリベンジするなら、ナポリタンかシーフードクリームスパゲッティかカレーソースパゲッティしかない。
だが想像がつく料理は、タベアルキストとしては頼みたくない。
そこでライスに目標を変えた。
ドリアが売りらしく、6種類もある。
しかしホワイトソースは今食べているので避けたい。
ピラフが2種、カレーが3種。
焼きめし目玉焼き乗せというのに惹かれたが、にんにくライスを注文した。
なぜかといえば、小エビや鶏肉のピラフが800円なのに、ニンニクライスは850円もするからである。
ジャジャッ。寡黙な親父さんが勢いよく炒める音が聞こえる。
登場したのは、イカやエビ、ハムとマッシュルームが入った料理だった。
ニンニクや一部具材が焦げちゃっているのはご愛嬌。
スパゲッティを入れなかったおかげで、3品も食べることができました。